響也

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響也

俺と響也が知り合ったのは高校に入学して一月くらい、GW明けてすぐの日曜日だった。 それなりの偏差値を誇る松ヶ丘高校に入れたのは、大学教授だった変人な親父の血だろう。講義がないときは大学の研究室か家では部屋に閉じこもってたから言葉を交わした記憶がほとんどない。 それに対して母親は美人のビッチで浮気も浪費も好き放題だった。 そんな嚙み合わない二人がどうやって結婚したかって?知るわけねえだろ。 残ったのは異常寡黙な親父の方で、母親は離婚もせずに出てったんだから。両親とも死んだって外では言ってる。両親=恥ってわけ。けど悲しいのは自分にそのクソでクズな血が流れてるのを認めるしかないってこと。
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