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最悪な夜
感謝祭が終わり、クリスマスが近づいていた。街は電飾で飾られ、全体的に楽しげな雰囲気に包まれる。
そのおもちゃ箱の中のような雰囲気をよそに、サンダーは絶体絶命の危機に晒されていた。
「動くな」
サングラスの太った男が銃を向けている。サンダーはボクサーパンツ一枚で、丸腰だ。
数分まで同じベッドにいた女はシーツにくるまりながら悲鳴を上げている。
「その頬の入れ墨、心臓、忌々しいそのブツ、どれから撃ち抜いてほしいか選べ」
「あなた…」
「お前もお前だ。こんな男を連れ込みやがって」
まずい。サンダーは動揺した。金色の鎖を出すか。いや、モンスターではないからこれは使えない。使ったら大騒ぎだ。
男はまるまると太っていて、動きは鈍そうだ。しかし、手にあるものは自動散弾銃だ。あれで撃たれたらと思うと足がすくむ。普通ならば体は穴だらけになるだろう。改造されているとはいえ無事では済まない。
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