最悪な夜

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決断した。逃げよう。 サンダーは服をかき集めて隙をついてバルコニーに向かい、飛び降りた。三階ならなんとかなる。 「待て!」 あの男なら階段も早くは降りられないだろう。飛び降りて駐車場まで逃げ切り、車に乗ればこちらのものだ。 しかし、現実は甘くなかった。想像以上に体が疲れていたせいで着地に失敗した。尻餅をつき、服が散乱する。かき集めて逃げるが尻が痛くて走るのも一苦労だ。 老人と目が合う。ぷっ、と吹き出した。不快だと言わんばかりに睨みつけたら声も出さずに笑われた。 最悪だ。 何とか逃げ切り、車のアクセルを強く踏み急発進した。
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