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「へぇ、お友達の結婚式用ね」 「そうなんです、ファッションに疎いのでお洒落な服とかあまり持ってなくて」 「いいよ、私で良ければ一緒にみてあげる」  早乙女さんとのお出掛けの日、私の希望で洋服を買いに行くことにした。センス抜群の早乙女さんに選んでもらえたら間違いないと思う。 「やっぱりワンピースかなぁ、コレなんかどうかな。はい着てみて」  あれよあれよと渡され試着を繰り返し、また別の店舗へと移動して繰り返す。 「そういえば足はどう?」  一段落した時に聞かれるまで、すっかり忘れていた。 「そういえば、少し疲れたかな。でも忘れてたくらいだから大丈夫。痛みもないし、インソールのおかげかな」 「そうね、良さそうね。でも無理しちゃダメだから、履き替えようか」 「はい」  履き慣れた靴に替え、またショッピングの続きへと向かう。 「ねぇ、うさちゃん」 「えっ、うさ?」 「宇佐見さんだから、うさちゃん」 「ウサギみたい」 「可愛くて良いでしょ?」 「はは……」  可愛すぎでは? 「うさちゃん、せっかくだから可愛いランジェリーも買わない?」 「ええっ」 「ほら、彼氏さんに女らしくって言われたんでしょ? 驚かせようよ」  早乙女さんは、グイグイと引っ張ってくれて、私をどんどんお洒落にしてくれる。 「次回はメイクもさせてね」 「はい是非、お願いします」  楽しかったなぁ、また会う約束もしちゃったし、もう友達って言ってもいいのかな。 「そういえば、インソール代払わなきゃ」  友達ならば対等でいたい。 「あれは、モニターってことで。また感想聞かせてくれればいいよ」 「そんな、なら夕食奢ります。今日付き合ってもらったお礼も兼ねて」 「それじゃ、ご馳走になろうかな」 「やった」  もう少し、楽しい時間が過ごせることに私も素直に喜んだ。  その後、秀吾とも定期的にデートはしているが、お洒落なランジェリーはもったいなくて見せていない。早乙女さんは彼のためにって言っていたけれど、私はなんだかそこで使うのは違うような気がしていたのだ。
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