真面目文系女子が不真面目理系男子を好きになった話

プロローグ

入学式の朝、期待と不安で踊る心を隠して、私は正門をくぐった。
あの日から、あの瞬間から、私の運命は決まっていたのだろうか。
きっともう、ここに入学すると決めた時から、私は手遅れだったのだと思う。
彼に振り回されるということは、確定事項だったのだ。

私の心も思考も動作も、すべてが引っ張られてしまう。
認めたくないこの感情が私のすべてを狂わせる。

持ってはいけないと分かっているのに、どうしても消せない思いがある。
こんな思いを持ってしまったら、そうしたら。
何が最適解かは、もう分らない。

正解のない、間違いのない、私だけの問いだ。

天城百合【アマシロユリ】
本作の主人公。高校一年生女子。
文系に全振りした頭脳を持ち、非常に真面目な性格。
曲がったことは大嫌いで、それをする人も大嫌い。勉強(文系に限る)以外はいまいち得意ではないが何事にも一生懸命取り組む。

花森悠斗【ハナモリユウト】
高校一年生男子。
理系科目が得意な頭脳派。一方で運動もでき、背も高く、ハイスペックな人物。サッカー部に属しており、人気者だが不真面目でふざけた性格。
行事などにはあまり積極的ではなく、けだるげな態度を見せがち。

織田美春【オリタミハル】
高校一年生女子。百合の友人。
文理問わず非常に賢く美人。
百合の恋を応援している。

田代一也【タシロカズヤ】
高校一年生男子。悠斗の友人。
サッカー部所属。