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47.恋心とは!?
「‟恋”ですか?」
「そうなの。恋とはどんなものなのかと思って……」
「お嬢様、急にどうなさったんですか?」
「実はね……」
私は、自分付の侍女であるミリーに、婚約者様との間で起こったこと、その会話内容を余すことなく話すことにしました。何時も両親に相談するのですが今回はなんだか気恥ずかしいのです。流石に親に恋愛相談をする訳には参りません。ミリーは四歳年上で、私にとって侍女というよりもお姉さんのような存在です。
「なるほど。よ~~~~~~く解りました。お嬢様、恋というものは、しようとして出来るものではございません」
「……できないの?」
「はい。恋は頭でするものではなく、心でするものですから。」
「ここ…ろ?何だか難しそうだわ」
「そんな難しい事ではありませんよ、お嬢様。心で感じるだけですから」
困りました。
心でするとは……一体。心は頭と違って考えてくれません。
皆さん、どうやって『恋』をした!と思うのでしょう?
「因みに、どんな感じになるの?」
「そうですね、相手を見てドキドキと心を高鳴らせたり、ビビビッと感じたり、一緒に居られるだけでフワフワとした気持ちに成ったり、プレゼントを貰ったらホワホワしたりしますね」
「そう…」
余計に分からなくなりました。
ドキドキとはなんですか?呼吸困難ですか?それとも過呼吸になりかけているのでは?
ビビビッと感じる?心臓病の一種ではないのですか?
フワフワ……寝不足で頭が動いていないだけでは?
ホワホワ……分かりません。
恋とは難解なものですね。
ミリーの言った意味をいくら考えてもサッパリと理解出来ません。うんうん、と頭を抱えて考え込んでいると、ミリーが一冊の本を私の目の前に差し出してきました。恋の意味を調べたところで、『特定の人物に強く惹かれ深く思いを寄せる』としか書かれていないのです。美しい物を見て惹かれる事となにか違うのですか? 美味しいお菓子を出ていた時に惹かれる事とはまた別なのですか? 両親や屋敷の者達を大切に想う事は『深く思いを寄せる』ことに該当するのではないのですか? 分かりません。
困惑しきった私を見てミリーが一冊の本を目の前に差し出してきました。
「お嬢様、“恋”を知るのなら、これです!」
ミリーが手渡してきたのは、今、人気の『恋愛小説』でした。
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