ウミガメのスープ《考察》

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「その日に提供するはずのウミガメの用意が出来なくて、仕方なく違う具材で誤魔化したとか。 それに客の男の方だって、昔食べたスープの味を詳細に覚えてるものかな? 男はそんなに舌に自信のあるグルメ(美食家)だったの? 遭難した時に素人が調理したウミガメのスープはレストランで出されたものより味が劣ると思うんだよね。 調理した仲間がプロ級の腕前を持っていたとしても、緊急事態で空腹を満たす為だけに作ったなんだから。 調味料とかもなかったはすだから、素材の味が際立ってたと思うんだよね」 理詰めだな。 「なるほど、遭難時に食べたのが本物のウミガメのスープで、レストランで食べたのが偽物のウミガメのスープだったという説もある訳か」 「仮に男が本物のウミガメのスープの味を覚えていたとしたら、レストラン側の責任は重いよね。人一人の命を奪った訳なんだから。……でも、シェフは自分の手を汚さずに客の男を殺す為にわざと偽物のウミガメのスープを出したのかもよ」 話がややこしくなってきた。
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