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「何らかの事情でシェフは男を憎んでいた。そしてシェフは男の過去を知っていた。男が自分のレストランを訪れたのを利用して、わざと違う食材を使って騙したのかもしれない」
「なるほど。それなら辻褄が合うね。完全犯罪の成立だ」
「でもシェフが違う食材を偽って客に提供したことにウェイターが気付いた。そしてそのことをネタにウェイターがシェフを脅し始めるの」
話の着地点が見えない。
「そしてシェフは脅してきたウェイターを手にかけてしまう……。死体の処理に困ったシェフはウェイターの遺体を解体し、人肉スープをウミガメのスープと偽って提供するようになる」
「いや、怖いって(笑)男が遭難した時に飲んだスープは本物のウミガメのスープで、シェフがレストランで提供したスープは人肉スープ。完全に逆になっちゃってるじゃん!」
僕は笑いながら大袈裟にリアクションを取る。
「そう。だから私は外食もしないし、他人から貰った飲食物にも絶対に口を付けないの。何が入ってるか分からないから。悪いけど、これ返すね」
女子生徒は、さっき渡した僕の精子入りのシュークリームを真顔で突き返してきた。
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