嫋嫋たる微風

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嫋嫋たる微風

まだ寒さが残るこんな季節に 春の淡いそんな匂いが いつもなら起きれない肌寒い朝に 1つココアでも飲みながら 慌てていたせいか 零した服をみて あぁ、なんて愛おしいんだろうか 記憶に残る彼等のアルバム 失くしてもまた新しいモノを 囁く風と共に まだ去りはしてない 幾つもの時間が経てば 芽吹くその木には これからの力が溢れてる様に 僕らの時間と一緒に成長していく ここを出たら風が待っている いつもなら寝ている寒夜に 1つミルクでも飲みながら 溢れそうなカップを両手で ホッと白い息が残る あぁ、どうして苦しいんだろうか 苦い思い出をしても 忘れられぬあの日々が また新たな温かさを 知るのはまだ先の事 時間ってものは残酷なもので 窓から見えるあの木には蕾が 流れに沿って色褪せる日々と 君等の出来事は薄く儚く消えてゆく 朝目覚めたら(さえず)る小鳥と共に いつもとは何か違う1日になりそう ふと、風に当たりながら花を観ようか いつもならこんな事思わないのに なんだか、寂しくて なんだか、懐かしい匂いがして 花びらが風に舞うように 色んな出逢いがあるように 思い出す僕等と君等の記憶の欠片(かけら) そこに小さな幸せが芽を出してる それに気付いた時、きっと まだ寒さが残るこんな季節に 春が訪れた匂いがした
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