4.それは、お互い様

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 牙を抜き、最後に患部に優しく口付けると、ツヴァイは申し訳なさげに零した。吸血鬼特有の治癒力によって傷口は瞬時に塞がっていくが、体内に回った酩酊は暫く抜けない。見つめ返すアインスの表情は陶然として悩ましげだった。 「何故、謝る」 「だって……アイちゃんに負担掛けちゃってるし」  アインスが居なければ、生きていかれない。肉体的にも精神的にも彼に依存している状況に、ツヴァイは後ろめたさを感じていた。  自分が彼の重荷になってやしないか、時折どうしようもなく不安になるのだ。その度にアインスは説く。 「負担だなんて思っていない」 「でも……」 「私がしたくてしていることだ。お前が居なければ、私が生きる理由も無いからな。だから、気にするな」 「っ……」  アインスの真っ直ぐな言葉に、ツヴァイは声を詰まらせた。それから、顔を伏せて「ありがとう」を呟く。  敵わないな、と思った。 「……ここ、苦しそうだね」  ふと視界にが入り、ツヴァイはそっと指先でアインスの股間に触れた。 「それは……っ」  アインスが慌ててベッドから立ち上がろうとするのを、ツヴァイが押しとどめる。
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