4.それは、お互い様

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「分かってる。吸血効果だよね」  吸血中、獲物を逃がさないようにする為のシステムなのか、吸血鬼の牙からはどうやら快楽成分が分泌されるようだ。その媚薬じみた効能は同種間でも有効らしく、アインスの雄は厚手のズボンの布を押し上げて窮屈そうに屹立していた。 「このままじゃ、辛いよね? 楽にしてあげよっか」 「いや、それは……自分で」 「でも、俺いつもアイちゃんに貰ってばかりで、何も返せてないもん。たまには、お礼……させてよ」  拗ねたように健気なことを言うツヴァイに、アインスは何も反論出来なくなってしまう。  敵わないな、と思った。
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