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5.衝動と葛藤 前※
「……まだシャワーを浴びていない」
「いいよ、そんなの。アイちゃんの匂い好きだし」
「というか……お前は、大丈夫なのか?」
早速こちらのズボンのファスナーに手を掛けるツヴァイに、遠慮がちにアインスが訊ねた。
「何が?」
ツヴァイは、手を止めることもなく聞き返す。ゆっくりと下ろされていくジッパー音。覗く己が紺色の下着から目を逸らして、アインスは言葉を接いだ。
「その……こういうの、嫌じゃないのか? 無理はするなよ」
そう窺うのにも、理由があった。ツヴァイにはトラウマがある。幼少期、養父から性的な虐待を受けていた過去があるのだ。だから、こうした行為は彼にとっては恐怖でしかない筈。
しかし、彼は言う。
「アイちゃんなら、嫌なことなんてないよ」
そうして柔らかな笑顔を向けられてしまえば、アインスは弱い。出来るのは、ツヴァイのやりやすいように脱衣の手伝いをすることくらいだ。
屹立は解放されるのを待ち構えていたかのように下着から勢いよく溢れ出した。その迫力に、思わずといった風にツヴァイが「わ」と声を漏らす。
(引かれたか?)
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