5.衝動と葛藤 前※

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 そのまま、ゆっくりと喉奥の方へ深く誘われたかと思いきや、途中で引き返す。吸い込まれ、引きずられる。そんな抽挿を繰り返しながら、ツヴァイは口中に入り切らない部分を掌で扱き始めた。 「ツヴァイ……っ」  思わず、アインスの口からは情けない声が出た。 (自分でするのとは全然違う)  堅物の彼には性交経験が無い。これまで昂りは自分で慰めてきたが、ツヴァイから与えられる快楽は、それの非ではなかった。  背筋から一直線に脳へと駆け上る電気信号に、為す術もなく翻弄されてしまう。 「アイちゃん、気持ちいい?」  指先で玉を弄びながら、ツヴァイは反応を窺うようにこちらを見た。紫電の瞳は今や真紅に染まっている。  能力発動時以外にも、気が昂ると紅くなる仕様だ。興奮を表すその瞳に、映るアインス自身もまた、紅い(同じ)瞳をしていた。 「ああ……」  酷くだらしなく、蕩けた‪表情(かお)。‬自分のこんな姿に、ツヴァイが興奮している。その事実に照れるやら嬉しいやらで、アインスは戸惑いつつも素直に返した。 「良すぎて困る……」  ツヴァイが口端を上げた。
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