6.衝動と葛藤 後

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6.衝動と葛藤 後

「ハァ……すっごい濃い。随分溜まってたみたいだね」  濡れた唇を指先で拭いながら、ツヴァイは微笑んだ。それから、脱力したアインスの頬に軽くキスをする。唇にしなかったのは、たった今精液を飲み込んだ故の遠慮だった。喉の奥には、まだ絡み付くそれの感触が残っている。――苦くて甘い、大好きな彼の味。 「最近、車中泊で自分で抜くタイミングも無かったもんね。あんまり溜めすぎは身体に良くないし……これからは、俺が抜いてあげるね」  達したばかりのアインスは未だ惚けた様子で、返事をするでもなく気だるげに潤んだ瞳でツヴァイを見つめ返した。  その‪表情が……大きく開いた襟元から覗く鎖骨と豊かな胸元が、酷く扇情的で思わずツヴァイは目を逸らした。  これ以上は、いけない。そう自分にストップを掛けて、身を離そうとする。しかし、思いがけず腕を掴まれて呼び止められた。 「待て。……お前は?」 「え?」  虚を衝かれてツヴァイが振り返ると、アインスは熱の籠った真剣な眼差しをしていた。 「お前も……反応しているだろう、そこ。気付いていた」
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