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ツヴァイが仕切り直すと、アインスも無言で首肯を返した。二人揃って、その場に背を向ける。
不意に、首筋にひりつくような感覚を覚え、ツヴァイは立ち止まるや振り返った。
「どうした? ツヴァイ」
相棒の不審な行動に、訊ねるアインスの声も緊張を帯びて低くなる。
「いや……何か視線を感じた気がしたんだけど」
しかし、そこには雪化粧をした街の景色が広がっているのみで、特におかしな点は見当たらなかった。
「気の所為だったみたい」
曖昧に微笑って、ツヴァイは少し先を行くアインスの元へと小走りに距離を詰めた。
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