聡美

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聡美

昼まで少しソワソワしながら授業を受ける。マドンナが私に話したい事とはなんなのだろう?確か彼氏はいたはずだし、男絡みではないだろう。成績も補習レギュラーの私と違って一度も補習で見た事がない。じゃあなんだろう。お父さんが社長だったからお金も苦労してないはずなのだが、、私へ今更何を言うというのだ。。私の見た目は普通と自負している。。そんな事を悶々と考えながらご飯休憩の時間を迎えた。聡美は私の席に来てついていて欲しいと言う。彼女はご飯は一人で食べる。誰かと一緒に食べるのは稀なのだ。それが私である事が少し誇らしく思いながら席を立つ。聡美が向かったのは体育館裏だった。ど定番の人気のない場所である。彼女は床にハンカチを敷き座ってみせる。その所作もまたマドンナというに相応しいだろう。私は直に床に座る。ハンカチなど持ち合わせていない!そんなオシャレなものは今の所使う機会がない。 「ご飯食べてからで良い?食べながらが良い?」聡美は美しい笑顔を見せてくれる。 「いっぱい話せるし、食べながらで良いんじゃないかな?黙食派ならそれが終わってからで良いんだけど。聡美さんがやりたい様にやって!」 「じゃあ私長く話したいから食べながらにさせてもらおうかな。。」そう言って弁当の蓋を開ける聡美。その綺麗な手に見惚れながら真美も弁当の蓋を開ける。
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