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加藤サクラ
サクラには、同期の友人の浅野 真理がいる。
真理とは入社時から話しが合い、部署こそ違うけれど仲良くしていた。
真理はパッと人目を引く華やかな顔立ちで、女子力が高く 男性社員からも人気があった。
真理がいる部署に サクラが好きな大輔がいて、大輔の近況をよく教えてもらっていた。
そんなある日 真理に呼び出された。
「ごめん…サクラ。サクラに謝らないといけない。」
涙を流して真理が言う。
「私、佐藤くんから付き合ってくれって言われたの……。サクラの気持ち知ってるのに。ごめん。
本当は前から私も佐藤くんのこと 気になってたんだ。
でも、サクラが嫌なら付き合ったりしないよ。」
申し訳なさそうに 声を震わせる真理。
びっくりなのとショックなのとで 頭がクラクラした。
人間 本当に思いがけない事があると、目の前が真っ暗になるんだな…と 他人事のように感じた。
「そんなの、私のことは気にしないで。両想いなら 付き合った方がいいよ。」
そう言うしかない。言うしかないよね?
ここで、『コノヤロー、付き合ったら承知しないぞ』とは言えない。
涙ぽろぽろ流してるヤツに 悪態ついたら こっちがものすごく悪者になるじゃないか。
泣きたいのはこっちだ。
こうして 真理と大輔は 付き合うことになったらしい。
そんなこんなで 一人でお花見告白を計画していたのに パーになってしまったのだ。
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