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リオナは、会場では食べれなかった夕食を
屋敷に戻り軽く済ませ、一人湯船に浸かり
不安になる気持ちを落ち着かせていた
目を閉じれば 大公様と王女が見つめ合い 会場から出る姿がちらつき 目を開けば、
大公様がそばにいない事に打ちひしがらる
「大公様、寂しいです」
一人だと素直な気持ちを言える
「大公様、会いたいです」
「リオナ、今なんて」
バスローブを羽織った大公様が目の前に
浴室の戸が開いたことも気づかなかった
「大公様、どーして
あの私、何か言いました」
言ったことは覚えているただ目の前に大公様がいたので、気が動転して意味のわからない事を口走ってしまった
「可愛い私のリオナ
寂しい思いをさせてすまなかった」
「今日はすまなかった、会場に居たのに気づいてあげられなくて」
「愛してるよリオナ」
「私も会いたかった」
「会いたくて気が狂いそうだった」
欲しかった言葉を全て投げかけて
バスローブも外し湯船に浸かり後ろから
リオナを抱きしめて 右肩に口づけを落とした
大公の腕の中にすっぽりと収まる
その居心地の良さで
不安の糸が切れたのか
リオナの瞳から涙がこぼれる
その涙も大公は啄むようにリオナの全てに口づけを落とした
「、、、大公様、おかえりなさい」
「ただいま」
大公にとってどんなリオナも愛おしい
幼き時の無邪気な笑顔の癒しの天使
苦労しつつも一生懸命なしっかり者で
テオシリアの腕に抱かれてからは
年相応に甘えて来たり 照れたり
わがまま言う姿も全てが愛おしく
テオシリアによって リオナも知らなかった
表情を見せる様になってからは
テオシリアも隠す事なく夢中に
愛を注ぐようになった
テオシリアは、己の全てでリオナを愛している
それにまだ気づいていないリオナ
それでもいつかはと、テオシリアは
夜通し言葉と態度でリオナを溺愛し続けた
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