メリューダ王女

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王女の視察もテオシリアがいないせいか 早々に終わり その反面テオシリアの調査に少し時間がかかっていた その間王女もテオシリアがいる時だけ食事の席を共にしていたが、それ以外部屋に篭り庭園すら出ることはなかった 「ファイル様、王女様部屋の中ばかりにいらっしゃては体が滅入ってしまわれないでしょうか」 「騎士団長とも確認してますが 領地の視察の勉強もしてるようですので そこまで心配しなくても大丈夫かと」 「それに食事以外も、奥様が用意された菓子やお茶を好んで休息も過ごされてる様子でしたので問題ないかと」 「それなら良かったわ」 テオシリアも魔獣の出現に関して 物的証拠もないため出現の多さは気になるもの それ以上新しい報告もなく調査を切り上げた その知らせを聞いたメリューダ王女から 街の視察を責付かされて皇帝への報告を 部下に任せてメリューダ王女に同行することになった その前日の夕食で 「テオシリア様との視察先でどうしても行きたい場所などありまして明日1日では、回れそうにありません」 「我が国でも観光に力を注ぎたいと考えておりますので、宿泊施設も是非見学したいです」 「そのため明日から一泊目ぼしい宿泊施設を見つけましたのでご一緒していただくことは出来ないでしょうか?」 大公の領地は、帝国で1番目に大きい土地を皇帝から任されている 自然あふれる土地に帝国一の湖があり その土地は避暑地としても栄えていた 土地の大きさもあり屋敷からは、馬車を使い半日の場所にあり事前にテオシリアと過ごしたい王女が愚考であったが、友好国の王女の願いを聞き入れないことを皇帝の耳に入るのも煩わしかった ためなくなく了承した そんなメリューダ王女がふとリオナに目をやると 不満すらない笑顔で 「私は屋敷でやらなければいけないことがありますのでご一緒出来ませんが、帝国一の綺麗な湖を堪能して来て下さい」 昨晩リオナの嫉妬を大公の深い愛情で 納めたこともあり不安に駆られる事なく 率直にでた言葉であった 寝室に戻り 明暗わかれた二人 リオナは、不安も嫉妬もなく明日からの1泊の 外出を見送ろうと思っていたのに テオシリアだけが背中を押されていく形に納得できず面白くない表情で先にベッドに入っていた 事情はわからないが怒っているテオシリアの機嫌を直そうとお酒や甘いものを用いるが機嫌は、 一向に良くならず男心がわからないリオナは ストレートに 「何を怒ってらっしゃるのですか?」 「私は粗相をしてしまいましたか?」 今にも泣きそうな顔でテオシリアの顔を覗き込む 居た堪れない気持ちになったテオシリア 「ごめんよ、リオナのせいじゃない 私が大人気なかったんだ」 「君があまりにもすんなり私を送り出すから 寂しくなってしまってつい意地悪をしてしまったんだよ」 そういうと、おでこに口づけをし 潤んだ瞳で 「君が私を欲する姿が好きなんだ その度に私は君のものだよと伝えるのも好きなんだ」 聞いてるだけで赤面しそうな言葉を なんの躊躇もなく伝えてくる大公に戸惑いながら 「明日ご一緒出来ないですが その瞳を向けるのは私だけにして下さいね」 「絶対他の方に見せないで」 言った自分も恥ずかしくなり 顔を両手で隠したが すぐテオシリアにこじ開けられ その夜もテオシリアに翻弄されながら 落ちる様に眠りにつかされた リオナは、テオシリアに愛されて幸福に満ち溢れていた 没落貴族だった頃のことも忘れて ただ愛される日々の中、安心し切って過ごしていた
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