突然の訪問者

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子供が出来る? 私に? それはそうゆう行為がないと 出来ないはず 私と大公様とは決してそのような関係ではない なのに何故そんなことを 頭をフル回転させているせいか 言葉を遮ることさえせず 額に口づけをされたことなども忘れて そのまま大公様に抱きしめられていた おもむろに今度は右頬に口づけをされ 「リオナは妊娠初期のため 無理はさせられないから また日を改めて」 と行く当てもわからない叔父を屋敷から 退席させた ソファに座ったと思ったら、 何故か大公様の膝の上に乗せられ 「ハー」っと深い息を吐き 「びっくりしただろ」 大公様は膝の上に乗せた私を見つめながら 「咄嗟に言ったことだがああでも 言わないと急な結婚話の辻褄が あわないと思ってね」 ニコリと微笑み 私の髪の毛に口づけをしながら 話しだす 「見ず知らずの馬車が こちらに向かっているのを聞いてもしや と思って来てみたら」 「馬鹿げた話をして来たから かなり憤りを覚えたよ」 「子供の頃から大切だったあなたを 訳もわからない商人には渡せない」 目が離せないほど 熱い眼差しでことの経緯を説明されながらも 膝の上という居心地の悪さに あまり話は頭に入ってこず 「私でよければ、リオナと結婚がしたい」 「君を守らさせて欲しい」 大公様の口から、嘘のような 結婚の申し出 ただでさえ誰もいない屋敷だから 私の心臓の音が聞こえそうなほど それに変な汗すら出てくる この空気に酔う前に ちゃんと聞かないとと 大公様の服を握りしめながら 「私と結婚ですか」 「大公様のような素晴らしい方と私なんて」 熱い眼差しを直視できず 「あの場ではああでも言わないと リオナのことも考えずに」 「子供のことは、あのように言えば 突然結婚することになっても周りが 納得すると思ってつい言ってしまった」 「リオナ どうか受け入れてくれないかい」 申し訳なさそうに 手を握りしめながら 語りかける大公様 突然の結婚宣言と子供発言 あのままだったら 叔父の提案に逆らえなかった 叔父も私が大公様と結婚することになったら 諦めて離れてくれるかも ただあの子達のことが気がかり 「大公様、大変光栄な申し出 ありがとうございます、 一つお願いがあります」 「私が結婚したらあの子達も 連れて行っていいですか?」 「もちろん、喜んで迎えるよ」 にっこり微笑んで また髪の毛に口づけを落とす この結婚は、私を助けてくれるためのもの 没落貴族の後ろ盾もない私を助けるためだけ のもの  私は大公様に何をしてあげれるのだろう それでも今は 「大公様、喜んでお受けします」 そう大公様に告げると 太陽のような笑顔で 「既成事実を現実にするため我が屋敷へ」 お姫様抱っこで二人の従姉妹をつれて 大公邸へ向かった
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