125人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう。えと、なんか……疲れてない?」
マリア陛下との決戦日である日曜日の朝、シェーンブルク宮殿の謁見室へ向かう時に合流したルフィエルさんは、何だかとっても疲れた顔をしていた。
「まぁ……一昨日の夜からずっと使い魔たちを駆使していたからな。」
『真実の鏡』を重そうに抱え、リュックサックを背負ったルフィエルさんは、目を擦りながらそう答えた。
「使い魔?そんなの使って何を調べてたの?」
「うん、まぁ……もうすぐ分かるよ。」
周りの騎士に聞こえる事を恐れてか、彼女は言葉を濁した。
謁見室に向かっているのはあたしとルフィエルさんだけじゃない。
あたしの傍らには帯剣したジークリンデがいて、さらにあたし達3人の前後をそれぞれ数名の騎士が「護衛」している。
皇宮を守る騎士たちに挟まれたこの状況で、ルフィエルさんが何でもかんでも喋るわけないよね……
などと考えてる内に長い廊下を抜け、見上げるほど高いアーチ型の両扉がある謁見室の入口にあたし達はたどり着いた。
最初のコメントを投稿しよう!