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1、悪夢
あの日から1年。男だけ3人の暮らしが続いている。
海斗は明るい性格で何時も喋っているような奴だったのに、今は殆ど話さない。
オヤジは還暦を過ぎた。「50歳まで生きられない。」それを言った当の本人が生きてやがる。
俺は、もうすぐ42歳だ。
海斗は年が明けたら、階位を取るためにK県の国教院大学に進学する。
俺はオヤジと二人暮らしになる。オヤジは毎日、俺を監視するだろう。
人間というものは恐ろしいものだ。
本物の殺意を含んだアイツの目。
本当のアイツは、俺が思っていたアイツとは全くの別人だった。
アイツはアイツのガキとグルになって俺を騙し続けていた。
俺の女房も一緒になって。
オヤジ、海斗、アイツとそのガキ、みんなが声をださずに俺を責めている。
陽。。。お前は何処に行った。
みんなの目が、俺が陽を殺したと言っている。
殺してなんかいない。俺はやっていない…やっていないんだ!
ひょっとしたら、みんなの言う通り本当は。。。
俺が陽を殺した……のか?
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