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佐野さんとは同期で、入社五年目になる。互いに全く違うスキルを有しており、支えあっていたら大好きになっていた。
彼女は口数が少なくて、笑顔だってあまりない。けれど賢くて、俺が痒いところを自覚する前に対策しまうような人だ。
対して俺は、話好きではあるものの、細かいことは苦手でミスしがちになってしまう。これまで会社に貢献できているのは、佐野さんのフォローありきだと堂々と言えた。
もちろん、こう言った仕事面での格好よさに惚れた部分は大きい。けれど、佐野さんまっしぐらなのには、また別の理由もある。
彼女だけだった。腹の叫びを笑わなかったのは。俺自身が自虐しても笑わなかったのは。
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