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明るく振る舞ってはみたものの、内心普通にショックである。
気になる相手が誘ってくれたら普通行きますよー。なんて、いつかに食堂で聞いた台詞までふわふわ俺を刺してきた。
そんなに、俺との飯は耐えがたい行為なのだろうか。普通の腹だったら一緒に食べてくれたのだろうか。
真反対にて、三個のプリンを平らげ空を仰ぐ。悩んでも凹んでもプリンはやっぱり美味しかった。
この大好きで仕方がない“食事”という行為を、共有できたらと願っていたが、そろそろ諦めるべきなのかもしれない。
「あの」
見上げていた視界に、不意に逆さまの佐野さんが現れた。
「わっ! びっくりした! どうしたの?」
素早く身を翻し、目の前に正座する。
スッと差し出されたのはキャラメルだった。もちろん箱ごとで、封も切られていない状態にある。
「食べます?」
「え、いいの? ありがとう」
「それでは先に戻っています」
用件は譲渡のみだったらしく、佐野さんは颯爽と去っていった。
残されたキャラメルを見て、ぽかんとしてしまう。やはり、嫌われてはいないようだ。
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