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"シチ…シチリア島の眠タゲナ空、マメハチドリの瞳、クラムボンノ微笑…ア、ココカラ無限ニ比喩表現ガ続イテマスネー。ウーン、初ッ端カラヤバメナオ便リヲ引イテシマッタ…ウーン……"
流してほしい音楽も決めないといけない。
そうか、僕には一歩踏み出す勇気がなければ、音楽の知識もなかったんだ。
"エート、番組内デ読ムニハ長スギルノデ割愛シマス。橋館サン、ゴメンナサイ!後デチャント読ミマス…!"
クラシックは知らない。流行りのポップスも知らない。ロックな洋楽も知らない。だから今までお便りを送る手を止めてきたのだ。
"橋館サンノリクエスト曲は……アレェ!コノ人何モ書イテナイ!応募フォームノ設定ミスッテタノカナ…"
納得欲を満たした頭は、食欲を満たした腹と同じくらい、瞼を重くする。
"ジャア今回ハ、私ノオ気ニ入リノ曲ヲ流シチャオウカナ〜。ソレデハ聴イテ下サイ…"
Glasgow Windowを最後まで聞けなかったのは、これが最初で最後だった。
僕は、次に進む意義を知らずに生きていた。
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