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小学校六年生の勉強は、五年生の勉強が土台となっており、それは更に四年生で得た知識が土台に…と云う、段階を踏んでいることに、上手く気付けなかったのだ。
新しいことを知るのは嫌いじゃない。しかし、なぜ小学校から中学校へと態々環境を移すのか、理解できないと思っていた。
そう云ったことは神様が決めてくださった決定事項なのかもしれない、と事実を白雲の向こうへ隠してしまったのである。
これは、と或る馬鹿な男が運命の出会いを体験する物語だ。
「よろしくお願いします!」
体育館は体育館の匂いがしていた。これは、体育の授業では感じられない。部活でなくちゃ感じられないのだ。
「お、来てくれたのか。岩崎、金原、挨拶に来なさい」
シャトルを打つ音はカタカナの発音と似ている。張りがあり、コンパクトな響きだ。
顧問の先生が呼んだ二人が来るより先に、僕はギャラリーへ向かった。そこの窓から見える学校の裏手は緩やかな崖になっており、僕は今さっき、人が落ちるところを見たのだ。
崖と体育館の外壁との間には道があり、窓から見下ろす形で、何部だろうか?、数名の生徒が走っている姿を確認できた。
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