0人が本棚に入れています
本棚に追加
"サア、今週モ始マリマシタ!DJ坂本ノ、Glasgow Window!開カレタ窓カラ、ドンナオ便リガ舞イ降リルノデショウカ?!"
午後六時、ここからは夜だ。毎週金曜のこの時間が好きで堪らない。
お下がりのラジオは蛍光色、中の電池は腐りきっている。
こんなに面白い番組を週に一度しか電波に乗せない放送局は、馬鹿である。DJ坂本のような、美声の持ち主が、本来関わってはいけない馬鹿なのである。
お便り…いつか勇気が湧いたら、送ってみようかな…そのとき、送るなら、内容は…
"マズハコチラ、ラジオネーム橋館サン。"
気持ちが悪いかもしれないが、彼女への情意を赤裸々に綴ろう。
"コンバンハ。私ハ坂本サンノコエガ大好キデス。"
"声"に感動した最初で唯一の体験はあなたです。とか。
"初メテソノオ声ヲ聞イテカラ、何カ、神秘ガ宿ッテイルヨウナ気ガシテナラナイノデス。例エルナラ、"
例えるなら、シチリアの空、ハチドリの瞳、泉の奥で割れる清泡。
最初のコメントを投稿しよう!