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第4話 薔薇・5☆
☆付きの章にはアール18内容を含みます。苦手な方は、読み飛ばしてください。
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「あらあら、ずいぶんと自分を構ってないのね」
知己に似た……というか、実はもう知己本人じゃないか?って顔の女優が蠱惑的な微笑みを浮かべ、家永の足元にうずくまっていた。
「ふふふ、大丈夫。全てはこの微乳堕天使にお任せ!」
彼女はグロスで濡れた唇を、ペロリと舌で舐めてみせた。
「?!」
家永の部屋着にしているスウェットの布ごしに、その部分を恥じらいもなく慣れた手つきで触れる。
セリフなんだろうが、自分で「微乳」と言ってしまえる彼女は、プロ意識が高い。それとも潔いのか。
彼女の特徴的なスレンダーボディや、本人スタッフ合意の元にあくなき探求心で作られてきた様々なシチュエーション、プレイ、作品に惚れ込むファンは多い。
だから彼女の微乳は恥じるものではない。むしろ、誇るものなのだ。
家永はベッドの上で、まどろんでいた。
そこに下半身に覆いかぶさるように、平野そっくりな彼女が陣取り、やわやわと悪戯するかの如く、その部分に触れている。
「……ぅ……!」
時には大胆に。時には緩やかに。
緩急付けての高度なテクニックに、家永は低く唸った。
(あ、これ……。夢だ)
お節介にも、門脇が昼間に「えぐいて、あえいで、微乳堕天使再降臨」をデッキにセットして出て行った。
家永が学生時代から愛用しているDVDデッキは、挿入されたら勝手に再生される。
家永の意向など全く無視し、食欲の後に性欲も満たすコースに突入した。
だが、その後の記憶がまたもやあやふやだ。
(俺は、また、寝落ちたのだな……)
と家永は理解した。
つくづく門脇君は天才だと思った。
食欲、性欲、睡眠欲。
人間の三大欲求全てを一度に満足させるとは。
(だったら、抗っても無駄だな)
夢なら、何をされようが、逆に家永が何をしようが現実には一切関係ない。
寝落ちる寸前の映像にあった通りに、彼女はいいように家永のものを布越しに弄んだ。それにつれて、家永にわずかな高揚感がもたらされた。
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