第4話 薔薇・5☆

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(あの時は、門脇君が平野を誘えと言ったのが事の発端だな)  去年の夏。  大学の研究合宿に平野知己も参戦してもらった。  不確かな記憶だったというのに、平野知己は、家永ではなくまたもや中位将之を選んだ。 (よく考えたら、平野が記憶障害起こしたのも門脇君の悪戯が原因だったな)  なんだか腹が立ってきた。 (そして、こんないかがわしい平野(DVD)を置いて行ったのも、門脇君だ)  今日の鳥雑炊にスポーツドリンクだけでなく、普段も色々とお世話になって感謝はしているが、こればかりは余計なお世話だ。  過ぎたるは猶及ばざるが如し。  ふつふつと湧き上がる怒りに (門脇君め……)  と思わないでもない。 「ああー? 呼んだか?」  突然、下腹部から野太い声が聞こえた。 「?!」  先ほどまで「家永、好き」「これ、大きくしたら、俺にいっぱいくれよな」と下肢に甘く纏わりついていた堕天使・平野知己が顔を上げると、門脇蓮になっている。 (しまった……! うっかり門脇君のことを考えてしまった……!)  平野知己の無駄な肉のないスレンダーボディが一変、筋肉隆々の男にチェンジした。  レザー生地のセクシーな服の下には、はちきれんばかりの筋肉。特に胸筋は微乳の名を冠する堕天使とはかけ離れ、たちまちAVのタイトルに「偽りあり」となってしまっている。  禍々しい微笑みは、完璧に闇属性。  やたらと発達した犬歯を見せながら、悪辣非道なる堕天使・門脇は 「なんだ、なんだ。さっきから、まだるっこしいことしやがって……!」  文句さえ言ってのけた。 「いや、やったのはさっきまでの君……というか君達の仕業なんだが……」  家永が頼んだわけではない。  AVの演出で、服の上から焦らして弄るのは堕天使が好きこのんでしたことだ。 「知るかよ。面倒くせえなっ! こんなの俺好みじゃねえ。さっさと脱ぎやがれ!」  言うが早いか、家永のスウェットを掴むと力任せに下着ごとずるぅっと引き下ろした。 「うわぁぁぁっ!」  突然のことで、押さえようとしたが間に合わない。間に合ったとしても、門脇の腕力に適うはずもない。 【堕天使・門脇降臨】1ed7ca12-f660-4f4e-bc25-c02f86edd53d堕天使と化した門脇蓮を、ちゃぼさんhttps://estar.jp/users/291978704に描いていただきました。ああ、このダイナマイトボディ・・・💕ありがとうございます(*´▽`*)
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