3 たとえば昨夜のふたり 浴室にて

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 図星を指され、ピアは顔を赤らめる。 「しるしを磨いていて、濡らしちゃったのね?」  ピアは情けなさそうに頷いた。 「申し訳ありません。なんだか最近こうなりやすくて……」 「気にしないで。しるしを磨く役目を担う者にはありがちなことだと聞くわ」 「ありがたいしるしに触れさせていただいているのですから、高揚してしまうのは仕方がないことなのかも知れませんが……でも……」 「そうよ。大丈夫だから、さあ」 「あっ」  ロゼルタはピアの脇に手を差し入れてひょいと立たせると、両手を上げさせて被り式の湯浴み着を引き抜いた。 「や、やだ……」  湿り気を帯びてはりついたようになってしまっている亜麻色の薄い茂みに、ロゼルタの視線が注がれる。 「ほんとだ。ぐっしょりね」 「言わないでください……」  恥じ入ったように睫毛を伏せたピアのふっくらとした胸の膨らみに、ロゼルタの手が伸びる。 「あっ」 「大きくなったわね」  初めて「ピアも一緒にお湯に浸かりましょうよ」と誘ったころとはずいぶん変わった。手に余るほどになったそれを柔らかく揉まれ、ピアの肌はますます染まる。 「素晴らしいわ」 「ロ……ロゼルタさまだって、もう少し時が経てば女王陛下のように豊かになられるんでしょう? 今はまだしるしのほうに栄養が注がれるべき時期なので、筋肉しかついていらっしゃいませんけど……」  以前に自分が説明したとおりのことをピアが口にすると、ロゼルタはどこか困ったように眉尻を下げた。 「ピア。大好きよ」 「身に余るお言葉です。もちろん、わたしも心からお慕いして……んっ」  膨らみの先端をつままれ、ピアは鼻にかかった吐息を漏らす。 「あっ……ロゼルタさま」 「いつも心を込めてしるしを磨いてくれるお礼をしないとね」  ピアの滑らかな素肌を見下ろしながら、王女は美麗に微笑んだ。
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