クリスマス・イブ

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やがてヘアメイクが終わり、瑠璃は鏡を見ながら髪を揺らしてみる。 クルクルと毛先を巻いて、やや下の位置でポニーテールにしてあり、少し首を動かすだけでふわふわと揺れる。 瑠璃はよほど気に入ったのか、何度も首をかしげては髪を揺らしていて、そんな姿に叶恵は嬉しくなって微笑んだ。 「瑠璃さん、ワンピースはこちらです。丈が長いと危ないので、膝下にしました」 「うわー、可愛い!」 ワインレッドで、手首にファーがついたそのワンピースは、クリスマスの雰囲気にびったりだった。 「良くお似合いです、瑠璃さん。すてきな夜をお過ごしくださいね」 「ありがとう!叶恵ちゃん。おかげでもうすでに、すてきなクリスマス・イブだわ」 そう言ってふふっと笑った瑠璃は、最後に叶恵に聞いた。 「ねえ、叶恵ちゃん。この後何か予定ある?出来れば少し残業をお願いしたいのだけど…」
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