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「今井チーフ、お疲れ様です」
ふと顔を上げた50代のチーフマネージャーは、早瀬を見てにっこりと笑った。
「早瀬さん、お疲れ様です」
「今日はどんな様子でしたか?こちらはいつもお忙しそうですが」
「ええ、お陰様で。宿泊のお客様だけではなく、通いでお越しくださる方も多くなりました」
「そうですか。スタッフの人数は大丈夫ですか?そんなに盛況だと、人員不足では?」
「今のところは大丈夫ですわ。杉下達若いスタッフが、お若いお客様やプライダルの花嫁様の対応をしてくれています。ご年配のお得意様には、私達古株が…ね」
そう言って、フフフと笑う。
「古株だなんて、そんな。ベテランさんですよ。フォルトゥーナになくてはならない存在です」
「ありがとう!でもね、やはり最近の流行とか、お若い方のお話にはついていけなのよ。だからそこは若手に任せて、適材適所に上手くやってますわ」
早瀬は頷く。
「とても良いと思います。ところで、杉下さんは?」
「ああ、彼女にご用だったのね。今、ブライダルコーナーで、近々挙式予定の花嫁様のヘアメイクリハーサルをしているの。そろそろ帰って来てもいい頃なんだけど…」
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