ダイエットサプリ

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4  美以子が校舎に引っ込むのを見て、わたしは足元に視線を戻す。  踏んづけてしまって、潰れたいくつものカプセル。ぐちゃぐちゃになって、中身が飛び出している。白っぽい粉、粉っていうか顆粒か。それが。 「……」  それが、わずかに動いたような気がして、さっきは思わず声をあげてしまった。  地面に散ったそれを、しゃがんでまじまじと見つめる。目は良くない。  やっぱり動いているような気がする。動いてるというより、蠢いてるといった方が正しい。蠢いてるなにか。  なんだこれ。なんで。  虫?  うぞうぞと。白っぽい。なにかに似てる。それよりずっと小さいけれど。  うぞうぞうぞうぞ。  うじ。  蛆虫?  ――おなかがすくの。  ――おなかの虫がごろごろいってるみたい。  おなかの虫。  食べても食べても。  おなかの虫が。 「……」  わたしは意図的に思考を停止させた。  見なかったことにしよう。もしくは気のせい。見違え。眼鏡の度が合ってないんだわ。今度の休みにメンテナンスに行こう。  それにしても、美以子はちょっと軽率すぎる。  清水先輩との付き合いを考えた方がいいような気もするが、向こうは卒業するのだし、まあ大丈夫か。  潰れたカプセルを見ないようにして適当にかき集め、ティッシュでくるんでゴミ箱に放り込んだ。 終
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