約束が保護されてしまった場合

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約束が保護されてしまった場合

 インチキ心霊動画を作ろうとした配信者コンビは、侵入した廃屋にあった人形を壊してしまった。それから人形の祟り、或いは人形が封じ込めていた何か恐ろしいモノに怯えて暮らしていたが、結局お互いに何かトラブルに襲われる事はなかった。 「あれは何だったんだろうな」 「実は手の込んだ嫌がらせ?」 「だったら俺らが助かるけど……でもしばらく家でやれる配信にしようぜ」 「そうだな」  久しぶりに顔を合わせた男達はそんな軽口を交わしながら、やってきたビールを煽った。  店の天井付近に備え付けられたテレビからは、行方不明事件をニュースが流れていた。実家暮らしの女子大生が、遅刻寸前になっても部屋から出てこないので親が起こしにいくと、もぬけの殻になっていたらしい。布団もスマホも服も財布も全てを置いて、忽然と。
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