たまらなく…

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たまらなく…

「ん…… んん…… 」 キスをしながら、僕の股間に這わせた手を優しく上下に動かす久紫さん。 や、だめ…… もう…… 。 「や…… 」 「いや? 」 唇を離して僕に訊く。 いや、じゃない…… でも、どうしたらいいのか分からない。 久紫さんの手の動きに、あそこがもう爆発しそうになってしまって、すごく恥ずかしい。 ずるずるずると、ローソファーにそのまま倒れ込み、僕の上に覆い被さるようになった久紫さん。 ずっとキスを止めないから、唇が腫れ上がってしまいそう。 少し腰を浮かせて、僕の手を取ると久紫さんの下半身へと誘導する。 僕の手には到底収まらない、チノパンの中の硬く大きな久紫さんのペニスに触れた。 「んんん…… んん…… 」 「可愛い、依杜…… すっごい可愛い…… 」 僕の手を久紫さんのペニスに当てて、その上から扱くような動きをさせ、息も荒くなりながら僕を可愛いと吐息交じりに言う。 「ひ、久紫…… さ、ん…… 」 「依杜、ねぇ…… 俺、もう、限界」 「ど、どうすれば…… いい、の? 」 わかんないもの。 僕は久紫さんに身体中を撫でられて、それだけでとても気持ちがいいし、あ、でも…… あそこがやばいかも。 ヒクヒクしちゃってる感じ。 でちゃうかも。 ズ、ズボンと下着を…… 脱がなくちゃ…… た、大変なことに…… なっちゃう。 「ひっ、久紫さんっ」 「どうした? 」 いきなり久紫さんの名前を大きめの声で呼んだから、驚いたように動きがピタッと止まった久紫さん。 「…… だめ…… もう…… 」 泣きそうになって涙目で訴えると、分かってくれたみたいな久紫さんが急いで僕のズボンと下着を下ろしてくれた。 …… 下ろしてくれた、って…… よく考えるとちょっと変。 なんの心の準備もないままに、久紫さんにあそこを見られてしまう。勃起したあそこ。そしてまもなく達してしまった。 ………… あぁ…… どうしよう、とても恥ずかしい。 射精()るところ、バッチリ見られちゃったし…… どんな顔をしたらいいのか分からなくて、両手で顔を隠した。 「ご、めんなさい…… 」 「なんで謝るんだよ…… てか、俺も…… もう…… 」 僕のお腹の上に跨がり、チノパンのボタンとジッパーをせわしなく外すと、硬く大きくなった久紫さんのペニスが僕の目の前に現れた。 僕に跨がったまま顔のすぐ横に片手をつき、自分で扱き出した久紫さんで、いいのかな? って困った。 僕がなにかしてあげなくて、いいのかな…… なんて思いながら、久紫さんが自分のものを扱いている姿に、またも下半身が疼いてくる。今、達したばかりなのに。 お腹から胸にかけて射精()てしまったままの僕の精液と、僕の顔、少しずつまた大きくなりはじめた僕のペニスを見て、ひどく興奮している久紫さん。 まもなく僕の液の上に被せるように、久紫さんの欲液が吐き出された。 温かい久紫さんの液。 はぁ、はぁ、はぁ… と肩で息をして僕を見下ろしている。 そして、まだ息が整わないまま、お腹と胸に吐き出した僕と久紫さんの精液をティッシュで拭いてくれる。 「ベッド…… に」 「…… う、ん」 何も身に付けていない下半身に、シャツの上に薄いニットを着ている僕。久紫さんも膝まで落ちていたチノパンと下着を一気に脱ぎ、シャツとその下に着ていたTシャツを脱ぎ捨てて全裸になるから、僕はどこを見たらよいのか目のやり場に困った。 華奢そうに見える外見とは違って、筋肉がそれなりについていて逞しい。 押し倒されるようにベッドの上に寝かされ、ニットをするりと脱がされるとシャツのボタンをひとつずつ、丁寧に外していく。僕の目をじっと見ながら、まるで、脱がされている僕の表情を楽しむように。 ボタンが全部外され、はだけると僕の乳首に吸い付く久紫さん。 「あっ!やっ!」 ビクンッと身体が少し仰け反り、コロコロと舌で転がしている久紫さんの頭を抱えた。 「ん、っや、んん…… あぁ、やぁ…… ね、んん…… 」 こらえようとしても、喘ぐ声が漏れてしまう。 こんな声を出すのは初めて…… 恥ずかしいよね、そうは思っても漏れてしまう。 もう片方の乳首を指の爪で軽く引っ掻くようにされ、思わずその手を掴んでしまった。 「や…… ねぇ…… もう、また…… でちゃう」 僕のペニスはとっくにまた勃起していて、またもヒクヒクしている。 「今度はだめ、まだ我慢して」 「…… 我慢、できないよ…… 」 はだけたシャツを、キスをしながらゆっくりと脱がしてくれる。 慣れたその手つきに、少しばかり胸がジリっとしてしまう。 「痛かったらすぐ言って……ごめん、ちょっと冷たいよ、我慢してな…… 」 後孔がヒヤッとしたかと思うと、久紫さんの指がゆっくりと撫で始めた。 「痛い? 」 そう訊かれた後に、孔に違和感、何かを挿れている。 あ、久紫さんの指? そう分かって僕の息が荒くなった。 ううん、というふうに首を横に振ると、優しく深いキスをしてくれて、僕の頭がぼーっとしてくる。 こんなこと、考えなかったわけじゃないけど…… ああ、どうしよう、久紫さんが大好き。 膝立ちをし、太腿で僕の腿裏を持ち上げるようにすると、お尻が持ち上がる。 久紫さんのペニスが後孔に当てられ、 「依杜…… 」 って、つぶやくように僕の名前を呼びながら、少しずつ侵入してきた。 「んっ…… あぁぁ…… んん…… 」 下腹部が少し苦しい。 でも、久紫さんが僕の中に這入ってきているんだと思うと、すごく幸せで、自然と涙がこめかみを伝った。 「痛い? 」 僕が痛みで泣いているのだと思った久紫さんが、侵入を止める。 違う、嬉しくて幸せで涙がこぼれているんだ。すぐに首を、ぶんぶんと横に何度も振った。 「大丈夫? 」 優しく訊く。 今度は縦に、小さく何度も首を振った。 下腹部の圧迫感が、心地よい感覚に変わってくる。ぞくぞくと身体の中からなにかが込み上げてきて、全身が痺れたようになる。 久紫さんのモノが僕の奥まで這入る。 そして、少しずつゆっくりと動き始める腰。 「あん、あん、あん、あん…… ん、ふっ…… ぁん…… 」 久紫さんの、腰の律動に合わせて漏れてしまう喘ぎ声。 激しくなっていく動きとはうらはらに、優しく唇を重ねてくる。 それでも僕の中に這入っている久紫さんのペニスは、まだまだまだと言っているよう。 眉間に深いしわを寄せ、余裕のなさそうな久紫さんの顔が愛おしい。僕の尻穴で扱いて達するんだと思うと、たまらなく嬉しい。 僕たち、ひとつになってる。 なんか変な感じ。 すごく…… 気持ちいい。 「ああぁぁ…… あんっ!やっ!んんん…… んん、あぁぁぁ…… 」 僕の身体が久紫さんの動きに合わせて激しく揺さぶられ、頭がぼーっとして掠れた喘ぎ声になる。 まもなく達してしまい、さらにぼーっとなったとき、久紫さんが「んっ!んんっ!」と声を漏らしながら律動が一層激しくなったあと、動きが止まった。 僕の中で久紫さんが絶頂を迎えた。 いつの間にコンドームを付けたのかさっぱり分からなかったけど、お腹の中に温かさを感じる。 すごく気持ちがよくて、ものすごく幸せで、 たまらなく…… 久紫さんが、好き。
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