準備

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現在7月22日 よし、、、、これでいいかな、、? 瞬「じゃぁ、、、、行ってきます。」 母「うん!絶対見に行くからね!瞬!」 瞬「は~い」 ガチャン そう、、、、明日は体育祭! 目玉の種目はやっぱり部活対抗リレーらしい。 陸上部って二人しかいないけど、どうするんだろ、、、、、。 --部室-- 森田「非常にまずい!!!!!!」 瞬「で、、、ですよね~(-_-;」 足立「足の速いやつを呼べばいいんじゃねぇの?」 森田「そういう人はみんなサッカー部とかでさー?」 瞬「なるほど、、、。」 森田「このリレーは400mを4人で走る、4x100mだ。」 足立「世界陸上とかでよく見るやつだ!」 森田「そう。」 瞬「あと二人足りないんですね。」 森田「YES!!」 瞬「足の速い帰宅部知ってるぜ」 森田「本当か!?!?!?」 --第一中学校 一年四組-- 「え?」 森田「だから、陸上部として対抗リレーに出てほしいんだよ、、、。」 「いやです。」 足立「なぁ、頼むよサトシ!!!」 サトシ「じゃぁ、絶対勝てる確証はあるのか、、、?」 確証なんてものはない。 そう思って生きている。 なんにでもデメリットやミスはあるものだ。 だから、僕はほかの人が毒見するまで何もしない。 陸上だってそうだ。 走って勝てる確証はないし、 タイムが縮まるという確証もない。 努力しても"それ"が報われる確証はない。 宣言したって、それがほんとに実行できるかはわからない。 要は努力したって無力だということ。 だってそうだろ。 天才科学者アインシュタインでも単純な計算ミスはする。 確証。 確実。 絶対。 そんな言葉、、、、、なくてもいいと思う。 希望なんてものはない。 だから僕は部活に入っていない。 入っても変わらないし勝てない。 部活なんてものは意味がない。 足が速いといわれてきたが、ホントは速くない。 陸上選手の方がよっぽど早いのに。 なんで僕をほめるんだよ。 足立「、、、、、。」 森田「、、、、、。」 瞬「勝てる。」 サトシ「は?」 そんなこと言っても意味がない。 瞬「勝てる。」 サトシ「確証は?」 あるわけない。 そんなもの。 瞬「ない!!!!僕が勝たせてやるって言ってるんだ!」 サトシ「、、、、、!」 瞬「確証なんてないけど!頑張ればきっと勝つ! 今勝てなくても!いつか勝つ!必ず!」 サトシ「、、、、そうか。」 そうだった。 子供のころは、希望にあふれていた。 でも、親に勉強をしろと言われ続け、僕は希望を失っていった。 父「なんでこんな点数をとるんだ!?」 母「信じられない!!!」 頑張った。数学も、理科も。 でも、変わらなかった。 そうだ。 僕に必要だったのは、情熱だ。 数学的なものじゃない。 その、、、、熱い心だったんだ。 僕は何も考えず、点数だけにこだわっていた。 でも、それは違っていたんだ。 情熱。 勉強に対する情熱、楽しさ。 それを知らないと僕は前に進めなかったんだ。 今僕は、キミの熱い心に心を打たれた気がしたよ。 ありがとう、瞬。 ----- はぁ、、、、、一人集まった、、、、。 あと一人、、、どうするか。 足立「さっきの瞬、すごくかっこよかったぞ!」 森田「それな~www」 足立・森田「ヒュー!カッコイイ!w」 瞬「やめてください。」 森田「あと一人、、、どうする?」 瞬「あの、、、多分来てくれないと思いますけど。」 足立「?」 瞬「俺が説得してきます。二人は待っててください。」 --放課後グラウンド-- 「はぁ、、、はぁ。」 瞬「、、、陸上部に戻ってきてください。」 「うるさい。あんたには関係ないわ。」 瞬「でも、、、ヒトミさんはまだ諦めてないんですよね。県大会。」 ヒトミ「、、、、もう、、いいのよ。」 瞬「じゃぁなんで今走ってたんですか?」 ヒトミ「いいでしょ!才能がなくても、、、、、。」 瞬「僕もないと思ってました。」 ヒトミ「あんた、、、遅かったもんね。あたしも。」 私は小さいころから足が速かった。 小学生のころ、運動会なんかは毎回一位だったし、 リレーのアンカーも任されていた。 中学生になってもそう"だった"。 でも、陸上部に入るとみんな早くて。 あたしなんか"ちっぽけな存在"だと思った。 総体でも、毎回準決勝で終わる。 悔しくて、、、、悔しくて、、、、。 ほかの部員はみんな速くて、、、、 クラブに入ったりしてこの部活には所属していない。 みーんな。もういない。部員は瞬とあたしだけになった。 顧問はめんどくさそうに部活をするから、あたしはやる気が出なかった。 でも、瞬は諦めずにずっと一生懸命走っていた。 でも、タイムは縮まらない。 顧問がちゃんと教えていないから。 私は陸上部をやめた。いや、諦めたのかもしれない。 瞬は凄いとあたしは思っていた。 でも結局。変わらない。 どれだけ練習しても変わらない。 意味がない。 そう思ってるのに、、、、あたしは毎日放課後のグラウンドを走っている。 意味なんて、、、、ないのに。 "変わらないのに" 瞬「でも!森田さんに教えてもらって"変わった"。」 瞬「人は"変われる"んですよ。才能なんてなくても、 努力で見返せばいいじゃないですか。」 ヒトミ「、、、、、、!」 ヒトミ「ごめん、、、、ありがとう。」 瞬「戻ってきてくれますか?」 ヒトミ「、、、戻ってみたい。」 瞬「一緒に頑張りましょう!」 --1-4前 廊下-- 森田「おお!おかえり!」 足立「ナイス!瞬!」 瞬「森田さん、これで揃いましたよね?」 サトシ「.....」 ヒトミ「.....」 森田「おう、、、、!」 足立「リレーは勝つ!!!!!!!!!」 森田「えいえい!」 瞬・足立・ヒトミ「おおおぉぉ!!」 サトシ「お、、おお?」
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