陸上人生

お別れ

瞬「、、、。」
瞬「知らない天井だ...」
瞬「うっ、痛いっ！」

森田「、、、瞬！」
瞬「森田さん、、、。」

僕は、ベッドから体を起こす。

森田「起きなくていい、安静にしてるんだ。」
瞬「僕は、、、どうなったんですか、、？」
森田「車にはねられた。」
瞬「、、、！」
森田「私が、、、あの時一人で帰らせたから、、、！」
瞬「いや、、、僕のせいです、、！」
森田「ごめんなぁ、、、、瞬。」

医者「起きましたか...」
瞬「あ、、こんにちは。」
森田「.....」
瞬「え、、、どうしたんですか、、、？」

医者「佐藤さんの足は複雑骨折をしています。」
瞬「、、、え？」
医者「お気の毒ですが、、
複雑骨折は、骨折の箇所や粉砕の度合い、回復の経過にもよりますが、
半年〜1年くらいで回復するケースが多いです。
回復の経過が悪い時は、2年以上治療期間を
要するケースがあります。」

瞬「え、、、そんな、、。」

医者「.....」
瞬「いいですよ。言っても。」
森田「.....」
医者「足首を骨折しているので後遺症が残る可能性もあるんです、、、。」
瞬「、、、、わかりました。」
瞬「ｸﾞｽｯ.....もういいですよ....ｽﾞｽﾞｯ....出てってください。」
医者「、、、でもまだリハビリをすれば治る可能性が。」
森田「そうだよ！瞬....」
瞬「一人にしてください、、、、」
森田「瞬のせいじゃないんだ...」

瞬「出てってくださいよっっ！」

森田「...」
医者「...」

ガッチャン.....

瞬「、、、うぅ、、、、うぐっ、、、ｽﾞｽﾞｯ...」
瞬「僕が、、、あの時、、、歩いて帰ったから、、、！」
瞬「僕のせいだ、、、、！」

--リハビリ--
痛い、、、、！
くっそ、、、、！
痛いよぉ、、、、。

マサムネ「大丈夫か？瞬。」
瞬「、、、うん。」
マサムネ「大丈夫じゃねぇだろ。」
瞬「...」
マサムネ「一人で抱え込むんじゃねぇ！」
マサムネ「ほら、見舞いのバナナだ。」
瞬「ありがとう...」
マサムネ「いつでも連絡しろよ。これ、俺のメアド。」
瞬「うん。」

そんな感じで2年が過ぎた。
僕は、明日退院する。
先生が後遺症は残らずに済んだと言っていた。
奇跡だったらしい。
よかった。ありがとうございました。

高校は眞田高校に推薦が来たから、そこに入ることになった。
みんなとも、もうお別れか。
最後にお別れ言いたかったなぁ。
足立、
サトシ、
ヒトミ、
森田さん。
ごめんね。
事故しちゃって。
あの2年間、僕に"走り"を教えてくれてありがとう。
もう僕は、中学生じゃない。
3年生は学校に行けなかったけど。
勉強を頑張った。
リハビリも。
だけど、僕はもう高校生だ。
1万回ダメで
望みがなくなっても
1万1回目は来る。

僕は、スプリンターだ。

次回。高校編 4月18日 開始