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2時半。
俺は彼と並んでベッドの中にいた。
「今夜は満月だったみたいだけど」
「うん‥‥」
一連の出来事に疲れ果てたみたいで、
俺の肩に頭をつけた彼は眠そうにしている。
かわいいなあと髪を撫で、言葉を続けた。
「葵、一緒に暮らさないか」
「えっ」
大きく目を見開き、俺を見つめた彼を
優しく抱きしめた。
「仕事を辞めずに済みそうだしさ。
みんなに認められたことだし、ダメかな」
「ダメじゃない‥‥」
泣き始めた彼の頭をポンポンしながら
幸せを実感する。
満月の夜に始まった俺たちの恋は、
言わば航海の途中。
でもきっと彼となら
どこにたどり着いても大丈夫だ。
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