後編

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「岸野はかわいいんだから、簡単にカラダを 開いたりしたら損しちゃうよ」 「そうそう。満月の夜に性欲が爆発しちゃう んだっけ?その日さえちゃんと我慢できれば 傷つかなくて済むよ、うまくガス抜きして。 あ、別に絶対に性欲処理するなとは言って ないよ、でも相手を選ばないとね」 辟易した挙句、小さく溜息をついて 呟くように本音を吐いた。 「それならいい人、紹介してくださいよ。 宮嶋さんの働くバーに、いないんですか」 そう尋ねると、宮嶋は大きく手を振り 「うちは従業員とお客様が個人的なやり取りを することはタブーなんだ。トップの意向で」 と言った。 気落ちした僕に、秋津が言葉を挟む。 「気晴らしに連れて行こうか?俺の連れなら フツーに入れると思うよ」 「ぜひお願いします」 宮嶋の働くバーは、 会員制のゲイバーだと聞いていた。 その日に出逢いがなくても、 時間があれば1人で行ってもいいと思った。
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