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「岸野はかわいいんだから、簡単にカラダを
開いたりしたら損しちゃうよ」
「そうそう。満月の夜に性欲が爆発しちゃう
んだっけ?その日さえちゃんと我慢できれば
傷つかなくて済むよ、うまくガス抜きして。
あ、別に絶対に性欲処理するなとは言って
ないよ、でも相手を選ばないとね」
辟易した挙句、小さく溜息をついて
呟くように本音を吐いた。
「それならいい人、紹介してくださいよ。
宮嶋さんの働くバーに、いないんですか」
そう尋ねると、宮嶋は大きく手を振り
「うちは従業員とお客様が個人的なやり取りを
することはタブーなんだ。トップの意向で」
と言った。
気落ちした僕に、秋津が言葉を挟む。
「気晴らしに連れて行こうか?俺の連れなら
フツーに入れると思うよ」
「ぜひお願いします」
宮嶋の働くバーは、
会員制のゲイバーだと聞いていた。
その日に出逢いがなくても、
時間があれば1人で行ってもいいと思った。
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