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「その方は、自分には頑なに靡かずにいた
川瀬があなたとは個人的な付き合いをして
いることは納得できないと仰っています。
従業員のプライベートには関与しない、
そういうスタンスでいる店ではありますが、
従業員にはお客様との個人的な付き合いは
避けるようにと言ってきました。それなのに
とうとう起こってしまった‥‥
特に従業員を管理する立場の川瀬が破った
ことはかなりショックです。あなたを責めて
いる訳ではありませんが、きちんと守る
従業員にも示しがつきませんし、
連絡してきたお客様が他のお客様に
このことを話してしまうかも知れません。
川瀬には系列店への異動を命じますが、
こんなことが繰り返されれば川瀬には
辞めてもらうしか道はなくなります。
恋愛をするなとは申しておりませんが、
相手を選んでいただきたかった」
「僕ができることは、その」
これ以上は、言われなくてもわかっていた。
僕は涙を堪えて、佐橋に言った。
「わかりました‥‥彼と別れます」
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