後編

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「その方は、自分には頑なに靡かずにいた 川瀬があなたとは個人的な付き合いをして いることは納得できないと仰っています。 従業員のプライベートには関与しない、 そういうスタンスでいる店ではありますが、 従業員にはお客様との個人的な付き合いは 避けるようにと言ってきました。それなのに とうとう起こってしまった‥‥ 特に従業員を管理する立場の川瀬が破った ことはかなりショックです。あなたを責めて いる訳ではありませんが、きちんと守る 従業員にも示しがつきませんし、 連絡してきたお客様が他のお客様に このことを話してしまうかも知れません。 川瀬には系列店への異動を命じますが、 こんなことが繰り返されれば川瀬には 辞めてもらうしか道はなくなります。 恋愛をするなとは申しておりませんが、 相手を選んでいただきたかった」 「僕ができることは、その」 これ以上は、言われなくてもわかっていた。 僕は涙を堪えて、佐橋に言った。 「わかりました‥‥彼と別れます」
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