後編

12/15
前へ
/28ページ
次へ
「でもさあ、半年も付き合ってたのに 別れたくないよね?宮嶋、何かいい案は ないのかよ」 「今、考えてる」 「川瀬さん、他店舗に異動って‥‥ きっと事情を知ってる人はいるだろうし、 仕事やりにくいですよね‥‥申し訳ないです」 「岸野はバレた時のことも考えた上で 踏み込んだんだろ?川瀬さんだって ちゃんと覚悟して岸野と付き合ってたと 思う。そこはあまり考え過ぎなくても」 秋津が肩を抱いてくれた。 宮嶋はまだ黙ったままでいる。 「川瀬さんて、今夜は仕事?」 「はい。そう聞いてます」 「たぶん、川瀬さんもこの話を聞くよな。 店でさ。岸野は川瀬さんからの連絡を 待って、話し合いなよ。俺たちは帰る」 「ありがとうございます」 川瀬の仕事が終わるのは、1時。 それ以降の連絡を待ち、もしなければ こちらから連絡する。 それまでまだ充分に時間があったので、 シャワーを浴びてからポトフを作り、 食べることにした。 スマホで動画を観ながらポトフを食べ、 後片付けをして軽くストレッチをし、 壁掛け時計を見た。 (まだ23時か‥‥) あくびをし、ベッドに横になる。 佐橋には川瀬と別れますとは言ったが、 大好きな恋人と別れるなんて愚かだとも 思っていた。 これからどうすればいいのか‥‥
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加