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エピローグ
外は雨だった。
おくるみに包んだ赤ちゃんが濡れないように、気をつけながら駅に向かった。
お願い、泣かないで。
いい子だから泣かないでね。
泣かれたら周りの目がこちらに向いてしまう。
そうしたら、小学生がひとり赤ちゃんを抱いて電車に乗っていることを不審に思われてしまう。
願いが届いたのか、赤ちゃんはずっと眠っていてくれた。
目的の駅で降りて、再び雨の中を、赤ちゃんが濡れないように、小走りに急いだ。
建物の入口の、屋根のある場所にそっと赤ちゃんを置いて、着ていた雨合羽を、顔だけ上手く出して、雨から守るようにそっとかけた。
チャイムを鳴らし、相手が出てきて、赤ちゃんをその腕に抱くのを確かめてから、その場を去った。
神様、どうかあの子が幸せでありますように。
あの子が幸せなら、それがわたしの幸せ。
END
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