ただのお粥で言い訳していいわけ?

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 これほど新鮮で瑞々しく、春の花咲く草原のように彩り鮮やかに卵と混ざり合ういい分葱があるだろうか!   真円の姿を崩したのには、そうして然るべきいい理由があったのをご理解いただきたい!   かくして完成……とその前に。忘れてはいけない、お塩をひとつまみ。  熱がないからといって甘く見てはいけません。起きた時に寝巻きが湿るほどの汗があったなら塩分は確実に抜けている。多少の塩を足しておかないと。救急外来でナトリウム500点滴を入れられてたまるものか。  お味噌汁の人参も大根も透き通り、ここまで来れば根菜だって消化器官を傷めることもなし。  さて、揃いました。  柔らかになった白米を彩る黄色の卵と若い緑。春のうららかな午後にふさわしく、目に楽しく体に優しく! ついでにコストも良過ぎてお財布にも労りを!  料理は美味しく、は当たり前。それだけでいいわけがない。  病人だからと不摂生は、単なる「言い訳」、むしろ逆。  作れる余裕があるのなら、手作り料理でさっさと回復!  だって今後お腹が減った時には、思いっきり好きなものを食べたいじゃない?  美味しければいいっ……わけじゃない!  ——完
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