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「俺を殺すつもりで、覚悟を持って魔法を向けてください」
挑発と分かっているにも関わらず私の心は彼の言葉に大きく揺さぶられていた。
この状況を打破するためにはやはり一戦交わるしかないようだ。
実戦に慣れていない私は明らかにこの男よりも不利な状況にいる。
小さく息を吐き私は覚悟を決めた。
右手に小さな魔法陣を展開させ魔力を刃の形に変換し、着ているドレスの太ももあたりに切っ先を突き立てる。
そして動きやすくするためドレスの丈を短くしようと切り裂いた。
綺麗には破れず右足側が短く左足側が少し長い状態となり、綺麗なドレスは跡形もなくなる。
「大胆ですね王妃は」
「この服じゃ動けないですからね」
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