春のランドセル

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春のランドセル

春、私の好きな季節子供たちの卒業とか入学とか入園とか やることはいっぱいあるんだけど それでもこの薄いピンクの桜色が彩る季節の空気は爽やかで美しく 胸いっぱいに吸う空気の美味しさに 浄化されたような気持になりながら桜並木を歩く、 新学期は中学生で卒業式も終わったと言うのに春休み中に1時間したたら桜並木に来てと言って6年間使ったランドセルを交換して背負って出かけた双子の息子と娘、水色のランドセルと緑のランドセル、 最近のランドセルは本当にカラフルで可愛い、あのランドセルどうしようか、今はリメイクして、キーケースや筆箱、財布などの小物にもできる、でもあのまま残して飾ってもいいな、 そんなことを思いながらランドセルを背負ってはしゃぐ双子を見つけて声をかければ二人はこちらに走ってくる、 地面の桜はもう掃除をされたのかあまりなく、木に咲く桜だけがもうランドセルを背負うには大きくなった子供たちの頭上を彩る 子供たちは私の所に来ると、並んで声をそろえる 「「ママ!6年間見守ってくれてありがとう!中学校も」」 2人は悪戯をする時の顔をするので何だか怖くなる 「「よろしくお願いします!!」」 そう言って頭を下げると蓋を閉め忘れたランドセルは、そのかぶせを双子の頭にぶつけ中に入っていた大量の桜の花びらを私の足の上に振りかける 驚いて固まっていれば、双子は勢いよく頭を上げてランドセルを元の戻し にやにやと私に笑いかける あぁそういえば双子は小学校に入学した時、初めて挨拶する時に同じように深く挨拶をしてカバンの中をぶちまけていた。2人そろって。 その時おばあちゃんが笑ったものだからランドセルの2人そろってのぶちまけはしばらく二人のブームだった。 「「ママの好きな桜だよ」」 にやにやと悪戯が成功して笑う娘と息子 もう私も笑う事しかできない そうね、ランドセルはこのままの形で飾っておこう もしかしたら また何かぶちまけたくなるかもしれないから
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