出会い

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「琴子ちゃんさ、朝わざと、ぎりぎりに登校してたりする?」 思わぬところで図星を突かれて驚く。そんな私の表情を確認して、由希奈さんは言葉を続ける。 「私もそれしてたなって思って。朝のホームルーム前の時間って何気に地獄だよね。なんかこう、絶対友達とおしゃべりしてなきゃって思っちゃう。 それにさ、教室に着いて鞄の荷物を自分の席に入れる時間があるじゃない。そこで、嫌なイベントがあってさ。」 「私はAちゃんとBちゃんと3人グループだったの。それで、私とAちゃんは家が近くて一緒に登校してたんだけど、朝のそのかばんを置くタイミングで、先に学校に着いたBちゃんは毎日私じゃなくてAちゃんの机に行ってたんだ。 二人はなんとも思ってなかったのかもだけど、私は毎日チクチク傷ついてた。」 「だから、登校時間わざと遅くしてた。別にその子たちのことが嫌いだったとかではないんだけど。 これを二人に話したとしても、きっと、そんな細かいこと気にしてたのって笑われるんだろうなって。」 彼女の体験談を私も何度も体験した。そのことに悩む自分が嫌で、私も登校時間そのものを遅らせたのだ。 あまりにも、今の自分と同じ状況で、同じ気持ちで、驚くと同時にうれしくなった。 この人もしかして―――私とすごく似てる…? 「私にとってはもう過去のことだけど、琴子ちゃんにとってはまだ現実に起こってて。 些細な事っていう人もいるかもだけど、琴子ちゃんにとっては今世紀最大の悩みだったよね。つらかったね。」 その言葉にまた涙があふれそうになり、必死にこらえる。そんな私を気遣ってか、さらに由希奈さんは言葉を続ける。
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