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―――ディスコが広がっていた。
部屋の中央にミラーボールがギラギラと回っており、壁の装飾も都会のネオン街を思わせるおしゃれなものだった。
そして、その奥のベッドにはデカデカとした風船で14の数字が飾られている。
「お誕生日おめでとう!!!!!」
さっきまで氷のように冷たい声だったはずの由希奈さんが、クラッカーと共に明るい声でそう言った。
ああ。今日は私の誕生日だった。
なぜだか由希奈さんが自分の誕生日を祝ってくれるというトンデモ展開に混乱する。
しかし、由希奈さんを怒らせたわけではなかったという安堵感からか、極度の緊張状態からリラックス状態へと移行した私は声を上げるでもなく、床に膝をつき、ただただ涙を流すのであった。
私の後ろ姿しか見えない由希奈さんは、何の反応もない私を不思議に思ったのか、私の顔を覗き込む。すると、私のあふれでる涙に驚嘆するのだった。
「なんで!?」
驚きながらも由希奈さんは、涙と鼻水でぐちゃぐちゃの私を抱き寄せて、何も言わずに寄り添ってくれた。
あったかい。
回らない頭で私はそんなことを感じるのであった。
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