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―――放課後
5人で長い坂を下って帰る。もちろん2-2-1隊列の1は私である。
まあ、いつものことだとあきらめながら歩いていると、私の左前にいた唯が話しかけてきた。
「そういえば琴子、今度苗字新しくなるんだよね」
唯のとなりのララも話題に食いつく。
「え、琴子のママ再婚したの!?」
「ほら、ちょっと前琴子の家新しくなったじゃん」
「あ~そういうことか!」
納得するララと説明する唯に、さらに話題を提供する。
「そうなの。今日からその新しいお父さんと、お姉さんと暮らすんだよね」
「えー!そうなの!なんだか大変だね」
そうして、うちの新しい家庭に関する話題で長い長い坂を下り終えた。
久しぶりに帰り道で、自分が会話の中心になれたことがうれしかった半面、話せば話すほど新しい家族に対面するのに緊張して、彼女らと別れた後の足取りは重かった。
家に着くと、すでに母と、新たに私の父親となる人とそしてもう一人、金髪の女性がいた。
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