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彼女は由希奈さん。新しい“お父さん”の連れ子で、私の新しい姉となる人。
母からは、都会ですでに一人暮らしをしている大学3年生だと聞いていたから、一緒に暮らす予定ではなかったが、なぜだか同居することになった。
今までの顔合わせでは姿を見せなかったため、“お父さん”とは何度かあったことがあったのに対して、彼女に対面するのは初めてだった。
由希奈さんは、標準体型の私よりはるかに背が高く170センチ近くありそうだ。
さらに、肩にかからない長さに切りそろえられた美しい金髪が彼女のオーラを増大させている。
大きく袖を余らせたダボっとしたダメージパーカーに、ちらっと見える黒いレザーの短パン、そしてそこから延びる白くて細長い足。
“いかにも“なきれいなお姉さんだった。
けれど、私には、こちらに愛想をむけるような素振りを見せない彼女が少し怖く感じた。
挨拶しなければ!
そう激しく緊張しながら、頭を巡らせていると、幸い彼女のほうから近づいてきてくれた。
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