出会い

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私は自分で思ったより、バスケが苦手だったらしい。 一緒に5人で入部した。全員未経験だからスタートは同じ。それでも一番下手なのは自分だという自負があった。 それにバスケはチームプレーである。グループの他4人だけでなく、先輩や最近では後輩ともプレーする。 ミスをするたびに謝る自分が情けなくて、なんでできないんだと自分を責めた。きっとと身体的にも精神的にも向いていない。 けれど、辞めるわけにはいかない。先述した通り、部活をしないのは外のクラブチームに所属している人間か、明らかに浮いている人間だけだから。 私はこの教室(せかい)で浮くわけにはいかないのだ。 やっと心身ともにきつい練習が終わり帰路に着く。帰り道はもちろん5人で帰ることになる。ここでも2-2-1の隊列で、寂しい1の役回りは変わらず私。 なんとか前の二人の話題に食らいついて歩く通学路の坂はとてつもなく長く、むなしかった。 鬱々とした気分で玄関ドアを開ける。いまだに見慣れることのない、大人の男性用の靴と若い女性の靴がさらに私に追い打ちをかける。 リビングからは“父”と母の楽しそうな声が聞こえてくる。学校で疲弊する私には、もう息をつく家もないのだ。私にとって、この世界のどこも居場所ではないのだ。
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